カレーのメモ帳

日常で出会うカレーのあれこれをメモしていきます。

レトルトカレー辞書_江田島海軍カレー

広島県の西部、瀬戸内海に位置する江田島。かつて大日本帝國海軍の士官を養成する海軍兵学校があった島です。

 

跡地は海上自衛隊の学校となっていますが、今も大講堂や赤煉瓦のとても美しい建築物が現存し、海軍のエリートたちが学んだ当時の雰囲気を感じることができます。司馬遼太郎著の『坂の上の雲』のドラマで見たことのある方も多くいることでしょう。

 

海軍の食事といえば、代名詞ともいわれるのが「カレー」。栄養価の高い食事として兵士に出されていた軍隊食でした。今も海上自衛隊には各艦船ごとにカレーのレシピがあり、ウェブサイトで紹介されています。れんこんカレー(岩国航空基地隊)から激辛カレー(潜水艦はやしお)、肉じゃがカレー(護衛艦やまゆき)など、実に42種類ものレシピは圧巻です。味付けは、赤ワインやブランデー、一味唐辛子、ウスターソース、インスタントコーヒー、キウイ、などなど、それぞれこだわりの具材があり、一つ一つ見ていくだけでもとても楽しい気分になります。

海上自衛隊:海上自衛隊レシピページ:過去のレシピ

 

海軍の街として知られる横須賀でも、明治時代のレシピを復元した「よこすか海軍カレー」をつくり、街全体で海軍カレーを盛り上げています。よこすか海軍カレーについては、以下のページで詳しく書かれています。海軍のカレーの歴史や当時のレシピなど、読み応えのあるウェブサイトです。

カレーの街よこすか » よこすか海軍カレーとは

 

さて、話を江田島に戻しましょう。旧海軍兵学校跡地である海上自衛隊第1術科学校では、施設内を見学することができ、構内にあるレストラン江田島では、海軍カレーを食べることができます。

江田島市観光協会 | 海上自衛隊(第一術科学校・幹部候補生学校)

 

残念ながら、数年前に私が江田島を訪れた時は、すでに食堂が終わった時間で現地でカレーを食べることはできませんでした。後ろ髪を引かれながら立ち去った江田島でしたので、今回、レトルトカレーに出会えたことは本当に嬉しかったです。

 

江田島海軍カレー」は、広島にあるオフィスシンというレトルトカレーの企画開発を行っている会社が、旧海軍のレシピをもとに江田島観光協会の監修によって開発したようです。オフィスシンのウェブサイトを見ると、「呉海軍亭 肉じゃがカレー」や「俺のカレー フレンチ」「クッキングパパ豚バラカレー」など面白いカレーがたくさんあります。また、ハラル認定カレーなどもあり、実に豊かなラインナップです。それにしても、レトルトカレーの企画会社があるなんて、これまで全く知りませんでした。

江田島海軍カレー-ご当地カレー開発 広島オフィスシン

 

では早速、「江田島海軍カレー」をいただきましょう。と言っても、、すみません。実はこのブログを始める前に食べてしまったため、とりあえずの写真しかないのをご了承ください。。

 

見た目はとても普通のカレーです。少し黄色く、給食で出てくるような特徴のない印象。きっとパンチも特徴もない、ぼやけた味に違いない、、期待せずに一口目を口に運びます。

 

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ん、、?なんだかとってもフルーティ。酸味と辛味がフワッと口に広がります。比較的酸味のあるカレーを好む私としては、とっても美味しい。見た目の平凡さを覆す、個性のしっかりある味です。具材はジャガイモやニンジンがゴロッと入っています。ルーを口に入れるごとに、具もしっかり味わうことができ、満足感が高いです。さすが、日本のカレーの歴史を築いてきた海軍カレー・・・、と思わずにはいられません。

 

江田島海軍カレーを食べれなかったので、現地での味と比較することはできませんが、名店のカレーとは違いあくまで過去のレシピから再現されたカレーであることを考えればレトルトであることで品質が変わる、という類のカレーではないと思われます。

 

原材料を見てみると「野菜・果実(馬鈴薯、人参、玉葱、りんご)」が一番に書かれています。なるほど、あの具沢山でフルーティな感じはそういうことだったのか、と妙な納得感。ほかにも、チャツネ、はちみつ、トマトケチャップ、中濃ソース、ワイン、といった酸味やフリーティさを感じられる材料が入っていました。

 

パッケージがイラストで可愛らしいので、江田島に行った際の土産としてもおすすめです。

 

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江田島海軍カレー

江田島の旧海軍兵学校のレシピをもとにしたカレー。

懐かしさを感じる黄色いルーと、フルーティで酸味のある味が特徴的。

味 :★★★★★

辛味:★★★☆☆

甘味:★★★☆☆

酸味:★★★★☆

コク:★★★☆☆

※★で味を表現しました。

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レトルトカレー辞書_「カヴィアル」欧風チキンカレー

記念すべきレトルトカレー辞書の第1回の紹介は、『「カヴィアル」欧風チキンカレー』です。

 

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「カヴィアル」は、古書とカレーの街として知られる神田神保町にある、1982年創業の老舗の欧風カレー専門店です。地下鉄 神保町の駅を出たすぐの、交差点近くにあります。老舗ではありますが、現在の店舗は新しく綺麗。クラシックな雰囲気漂う落ち着いたカフェ風の店内で、女性一人でも訪れやすい落ち着いたお店です。私は、これまでに2回ほど訪れたことがあります。 

 

神保町の欧風カレーは、甘くそして後から辛さを感じるカレーが多い印象。そしてなぜか小さな皮付きの茹でたジャガイモが付いてきます。ここカヴィアルもそういったカレーだったと記憶しています。

 

カヴィアルのウェブサイトによると、1982年の創業以来、継ぎ足しのソースをベースとして20種類以上のスパイスブレンドして作られており、玉ねぎを1日かけてボイルし、そこに生姜、セロリ、ニンジン、スパイスを入れ、バターで12時間以上炒めているそうです。なんと根気のいる作業・・・。そういった丁寧な作業が、あのコクのある甘みを引き出しているのですね。絶対に自宅で真似はできません。だからこそ、レトルトカレーのありがたみを感じます。

ガヴィアルについて - 欧風カレー ガヴィアル

 

さて、ではその老舗の『「カヴィアル」欧風チキンカレー』ですが、どうやらカヴィアルのシェフ金島保氏が監修し、エム・シーシー食品が製造したオリジナル商品とのこと。パッケージの裏にその説明が書いてあります。カヴィアルのウェブサイトでも紹介されており「チキンカレー」のほかに「ビーフカレー」があるようです。

 

エム・シーシー食品は、調理缶詰・レトルトパウチ・冷凍食品を扱う神戸の調理食品専業メーカーで、業務用、家庭用含め、数多くのレトルトカレーを扱っています。名店(カレー)シリーズも出しており、『「カヴィアル」欧風チキンカレー』もその中の一つ。昭和29年の創業で、業務用の食品マーケットからスタートし、現在ではプロの味を家庭用商品へ向けて展開しています。※エム・シーシーウェブサイトより参照

エム・シーシー食品株式会社

 

『「カヴィアル」欧風チキンカレー』のパッケージには、店の説明として、カヴィアルのウェブサイトと同じく「1980年の創業以来継ぎ足しのソースをベースとして20種類以上の〜」と書かれています。どうやら、この部分がカヴィアルの特徴を最も表現できる強みと思われます。気になったのは、原材料名にある「ソテードオニオン」という表記。エム・シーシーの商品にも「ソテー・ド・オニオン」があり、自社の資産を上手に使っているようです。カヴィアルの特徴ある甘みとコクを表現するためにも、大事な要素となっていることでしょう。

淡路島産たまねぎのソテー・ド・オニオン | 淡路島産たまねぎシリーズ | 家庭用商品 | エム・シーシー食品株式会社

 

さて、では実際に食してみましょう。

今回は、欧風カレーということでiittalaのお皿でいただきました。

 

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まず一口目。コクと甘みがじんわり口の中に広がります。後を引くソースの味。美味しいです。カヴィアルの特徴ある甘さとコクをしっかりと感じることができます。辛さはあまり感じません。店舗のほうがもう少し辛さを感じた印象がありますが、それでも、特徴がしっかりと再現されており、奥深い味となっています。またチキンもしっかりと入っており、ボリュームがあります。ただチキンはスプーンでほぐれるものの、ややパサついたかたさを感じます。

 

お店のカレーが1500円近い価格であることを考えれば、レトルトで手軽に味わえ、量、味ともに満足感が高い一品です。

 

原材料は、食品表示法で「もっとも一般的な名称で、使用した重量の割合の高い順に表示」されています。今回のカレーでは「鶏肉、ソテードオニオン、砂糖、カレー粉、ブドウ糖果糖液糖、、、」となっており、「ソテードオニオン」がたっぷりと入っていることがわかります。ただ、3番目に「砂糖」と書かれており(カレー粉より多い!?)、あの特徴的なカヴィアルの甘さは、玉ねぎの甘みだけでなく「砂糖」によっても再現されていたようです。

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「カヴィアル」欧風チキンカレー

神田にある老舗欧風カレーの名店 欧風カレー ガヴィアル の味を

忠実に表現した甘みとコクが特徴のカレー。

味 :★★★★☆

辛味:☆☆☆☆☆

甘味:★★★★☆

酸味:★☆☆☆☆

コク:★★★★☆

※★で味を表現しました。

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レトルトカレーの辞書をつくろう。

少し前のことになりますが、今年の誕生日に、会社の方からレトルトカレーをいただきました。普段スーパーで目にしても高くて手が届かなかった様々なカレーたちが突如やってきたのです。

夢の大人買い・・・ならぬ、夢の大人の贈り物。こうなったら、それぞれの魅力をしっかりと堪能をし、送っていただいた方へ感想を伝えなければ。。それが大人としての礼儀。

ということで、ここ10年ほど、カレーが好きで食べ歩いてきましたが、ただただ私の中だけに吸収されていったカレーの記憶を、これを機に記してみようとこのブログをスタートしました。

 

まずは、いただいたレトルトカレーの一式を紹介します。

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写真に収める前に食べてしまったものもあるので、写真では8種類ですが、実際には10種類からスタートします。

・「カヴィアル」欧風チキンカレー

・うわさの人気店トプカ インドムルギカリー

・北の文明開化五島軒「函館カレー」

・北新地あらえびす 墨カレー牛スジ

・博多華味鳥 チキンカレー

ふらんす亭 伝説のカレー チキンとマッシュルーム 中辛

・KITANO SELECTION 大人のためのビーフカレー

・オリエンタル即席カレー

・ヤマモリ『家庭で楽しむ大人の本格タイ料理』マッサマンカレー

江田島海軍カレー

※順不同、なんとなく上からカレー屋→ルーメーカーなどの順にて。

 

カレーの名店として、雑誌などのカレー特集では必ず紹介される有名店のカレーから、特徴的なご当地カレー、そしてルーメーカーのカレーまで幅広く網羅されたレトルトカレーたち。北は北海道から、南は福岡まで地域も全国にまたがっており、これは楽しいカレーの旅ができそうです。

 

 レトルトカレーは、辞書のように一つずつ丁寧に綴っていきたいと思います。もちろん、上記以外のレトルトカレーや、お店で食べたカレーなどなど、カレーにまつわる話を少しずつ紹介していきます。

 

どうぞよろしくお願いします。